Vengeance Avengerをざっくりと紹介してみた

どうも、ぶるーこめっとです。

3回続けて音楽系の話ですw

今回は、Vengeance Sound社のAvengerというソフトシンセの話をします。

このシンセは、自分が初めて購入した有料シンセ及びプラグインであり、かなり思い入れがあります。

なので、いくつかシンセ持ってる今でもつい立ち上げてしまいますw

それは使いやすいからというのもあるのですが、それは後ほど紹介しますね。

ところで、前回の記事の最後にこんなのがありました。

実は、この曲のドラム以外の部分(パッド、ベース、アルペジオっぽいシンセ)は全てAvengerで作ってます(外部エフェクターも多少使っています)。

…ちょっと頑張って音作りしました(`・ω・´)

まだ使いこなせてるわけではありませんが、こういう感じの音が鳴るんだなと参考になれば幸いです。

で、このシンセ、機能が多すぎて全部説明すると論文みたいな長さの記事になってしまうと思うので、自分が気になったところをピックアップしてレビューしようと思います。

機能

V-Saw

V-Sawは、オシレーター部分についているユニゾン機能のことです。

これのおかげで、いわゆるSupersawの音色が簡単に作れてしまいます(名前も多分これを意識していると思います)。

最大ボイス数は7です。7、なんですが。

横のVoicingタブを押すと、こんな画面になります。

なんとこれ、左のスイッチをオンにするとメイン画面で作った音と同じ音を重ねることができてしまいます。それも4つ分。

しかも音程を変更したり、ピッチをずらしたりパンを変えたりすることもできるので、うまいこと調整してエフェクターもうまく活用すればオシレーター1つでマッシブなSupersawが作れてしまいます。実際デフォルトでそういうプリセットもあります。

サブオシレーター付きなのでサブベースなんかも簡単に追加できます。

※余談:実は、以前まで偶数ボイスにするとパン振りが偏ってしまってちょっとアレだったのですが、アプデで均等にするか選べるようになりました。個人的にこのアプデは本当に良かったと思います。ただ、MIXを最大にしないと偏ってしまうのでここも改善して欲しいところです…。

※余談2:このシンセ、なんとオシレーターが8つまで使えます。つまり、上に書いたことがオシレーター8つ分できるというわけですが…さすがにCPU負荷がやばそうですねw

ルーティング

Avengerさんの超便利な機能の一つ、ルーティングです。

ほぼ全てのノブがルーティングに対応しており、例えばフィルターをLFOに紐づけるのはもちろん、エフェクターの各パラメーターまで対応してるのでそれをマクロで動かすなんてこともできます。

ここで活躍するのが、モジュレーションエンベロープです。

直線や曲線を自分で書いて、対応させたパラメーターをその通りに動かすことができます。オートメーションのような感じですね。

ビートや小節に合わせることもでき、プロジェクトのBPMを変えてもずれません。便利。

アンプエンベロープやフィルターエンベロープも、デフォルトで付いているものが気に入らなかったら自分で書くこともできちゃいます。

自分の場合、後述のビブラートが使えないときに、エフェクターのパラメーターをマクロに割り当ててビブラートの代わりにすることができたんですけど、その時「あ…このシンセなんでもできるかも…」って思いましたw

ルーティング次第で、思いもよらない音が作れるかもしれません。

ドラムサンプラー

Avengerには、用意したサンプルを読み込んで演奏できるようにしたりするサンプラーのような機能があるのですが、個人的に推したいのはドラムサンプラーです。

何がすごいって、プリセットの時点で大量のドラムサンプルがあるんです。追加でドラムサンプルを買わなくても十分なくらい。

ただ、WAVファイルとして取り出すとかはできないので、若干自由度は低いですけどね。それに後述するようなデメリットの問題もあります。

でも、ドラムサンプルに余計なお金をかけたくない人には向いてるかもしれません。色んなジャンルのキットがありますし、質もいいですし。というか、シンセってなんだっけ…w

さっき、若干自由度は低いと言いましたが、内部でサンプルを編集することはできます。外部からサンプルを入れることもできます。

Avenger上でドラムパターンを作成して再生することもできますが、DAW上でパートごとに打ち込むこともできます。自分は後者派ですw

エフェクター

Avengerには多彩なエフェクターがあります。ほぼなんでもあるので(サイドチェインすらある)外部エフェクターはほとんどいらないです(自分は使いましたが)。というか、上記のドラムサンプラーも相まってマジでAvengerだけで曲作れると思います…w

リバーブ、フェイザーやディストーションなど主要なエフェクトはだいたいあります。それも数種類ずつ(自分は使いこなせてませんが…^^;)。パラメーターも結構細かいところまでいじれます。

コーラスをうまく使うとV-Sawでのボイス数を減らせるかもしれません。

というか、種類も多いけど質もいいんですよねぇ…。ただ、エフェクトのかかり方はちょっと弱めというか穏やかかな?ガッツリとはかからない印象。

因みに、ディレイのピンポンは右始点です。自分は昔使っていたフリーのシンセで左からのに慣れてしまっているので、若干違和感を感じます…w

この他にもAvengerにはアルペジエーターやグラニュラーシンセシスなどの機能がありますが、今回ここでは詳しく触れません。

個人的に好きなところ

ビブラート

先ほど紹介したV-Sawの中にこんなのがあります。これは自動でビブラートをかけてくれる機能です。

VIB.RATEノブで揺らぎの速さ、VIB.AMOUNTノブで揺らぎの深さ、FADE INノブでビブラートがかかり切るまでの時間を設定できます。あと揺らぎの波形を決めることもできます。

これがちょーー便利なんですよ。感覚的に手軽にビブラートの設定ができるし、オートメーション書かなくていいし。

あと、VIB.RATEとVIB.AMOUNTを深めにかければブザーのようなダーティな音が作れます。

ブザー音を作るのにこの機能を使ってしまってその上でビブラートを使いたくなっても大丈夫。前述のように、エフェクターとマクロ(もしくはモジュレーションエンベロープ)を駆使すれば似たようなことができます。

細かいところが便利

Avengerは主な機能ももちろん便利ですが、細かいところにもこだわりが感じられます。

例えば、アンプエンベロープとフィルターエンベロープのアタック・ディケイ・リリースのカーブの深さを変えられます。個人的にこれは嬉しいです。他にもカーブを変えられるところはたくさんあります。

交互パンやランダムパン、ピアノみたいに音階によって徐々にパンが変わるというパンの詳しい設定もできます。

アタック感をより強くすることができるSPIKEという機能もあります。これもよく使っています。

こういう細かいところが変えられるので、丁寧な音作りができると思います。

あと、純粋に配置が見やすい。これに慣れてしまったせいで、新しく入手したシンセを触ろうとすると「アンプエンベロープ…どこ…?」ってなりますwそのためついAvengerを立ち上げてしまいますw

というか、今気づいたんですけどランダムで微妙にピッチ変えるとかできるんですね…。あと、ルーティング可能な全パラメーターがランダムにできるみたいです。まだ知らない機能たくさんありそう。

因みに、このシンセはアフタータッチ対応です。

ミニゲームが遊べる

Avengerはソフトシンセです。…シンセなんですよね?

なんとこのシンセ、画面上でミニゲームが遊べてしまいます。マジでシンセってなんだっけwww

「MIDIWARS」という名前のシューティングゲームです。MIDIキーボードのピッチベンドで自機を操作し、迫ってくる戦闘機に書いてある音階やコードをMIDIキーボードで弾いて弾を出して攻撃します。間違ったところを弾くと弾かれます。この段落で何回「弾」という漢字を使ったでしょう

実際のゲーム画面。今回はWAVE12でゲームオーバーになりました。

このミニゲームの存在を知ったとき、マジで天才だと思いましたwwシンセ上で、しかもMIDIキーボードを使ってゲームをするなんて天才の所業だと思いましたww

あまりにも感動したので、ついこのミニゲームが収録されていたエキスパンションを買ってしまいました(当時は一部のエキスパンションにしか収録されていませんでしたが、現在はアプデによりAvenger本体を所持していれば遊べるようになっています)。

ただ、なぜかハイスコアの名前入力画面でQが打てないのだけは許せません…どうしてなの

意外と脳トレになる気がしますwあと、弾き慣れてないコードとか来ると普通に対応できないです。

デメリット

重い

ちょっとおもおもです。起動に若干時間がかかります。

まあこれだけ機能があれば仕方ないですかね…。

この重さのせいで、前述のドラムサンプラーのために1台立ち上げるというのが若干面倒でもあります。

あと、オシレーターや上記のV-Sawでボイス数を増やしすぎたり、同時発音数が多すぎたりすると割とすぐにCPUメーターが振り切ってしまいます。

その場合はエフェクターをうまく使ったり、2台立ち上げて別々に演奏させたりするとマシになります。あと、DAW側でバッファサイズの設定を見直すとか。

といっても、絶望的にまで重いわけではないです。すごく快適!というわけでもありませんが。

でかい

画面がでかいです。大きさを変えることはできますが、自分の環境の場合大きさを100%にすると思いっきりはみ出てしまいます。

公式サイトによると、100%の大きさは高解像度ディスプレイ向けらしく、もしかしたら大きいディスプレイでの作業前提に作られたのかもしれません。

自分のノートPCのディスプレイは約15インチのフルHDですが、80%にしないと収まりきりません。しかし80%だと字が小さすぎてよく見えないので、多少はみ出しますが90~95%にして作業しています。

配置が見やすいのはいいのですが、その代わりに画面が大きくなってしまっている、という感じでしょうか。

でかいディスプレイ欲しい~~

まとめ

はい、というわけでAvengerさんを思うままに語ってみました。

現在自分の主戦力のシンセで、おかげでたくさん立ち上げてすぐプロジェクトが重くなってしまうんですけど、やっぱり使いやすいのでつい使っちゃいますw

出音としては、ぶっといベース系の音よりはどちらかといえば高音がキラキラギラギラした音が得意なようです。自分は全部任せてしまいますが…w(他のシンセも使えるようになろう…)

因みに、このシンセは定期的にアップデートをしており、これまでも数々の改善や機能追加などがありました。

現在はバージョン1.5.0の大型アプデを控えています。新機能や新フィルターが追加予定です。

★2019/12/01追記:v1.5がリリースされました!新機能「マルチループ」やヴィンテージ風の新フィルター、新スキンなどが追加されました!v1.5からのアクティベーション方法についてはこちらの記事、ファクトリープリセットやエキスパンションの読み込み方についてはこちらの記事で触れています。

あと、割と頻繁にセールをやってます。購入を考えている方はセールまで待つのはいかがでしょう。

まだ語りたいことはいっぱいあるのですが、とりあえずこのくらいにしておきますw

それではまた。

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