三度目まして、ぶるーこめっとです。
実は最近、ジャズピアノをかじってまして。といっても独学なんですけど。
難しいですね…。自分は子供のころにクラシックピアノを習ってたんですけど全然違う…。
まだまだ初心者ですし理解してないこともたくさんあるけど、少しずつでもいいから成長できるといいなぁ。
で、自分、ジャズも好きなんですけど電子音楽も好きなんです。今まで何曲か電子系の曲作ったこともあります(本当に数える程度ですけど)。
ただ、そういった電子音楽(というか曲全般)を作る際、シンセパッドのようなコード系の打ち込みに関してあんまり気にしてなかったんですよね。気にしてないというか今の自分の知識で十分かなみたいな。
全然そんなことはありませんでした。
実は、ジャズピアノを少し勉強した後に電子音楽を聴いたとき、電子音楽にもジャズっぽい要素が盛り込まれていることに気づいたんですよね。
それに気づいたときは衝撃を受けました。と同時に、ジャズピアノを学んで世界が広がったんだな、とも思いました。
この後紹介しますが、それを踏まえた上で試しにシンセパッドの音色で弾いてみたらなんかかっこいい(当社比)フレーズができました。感動したのでつい記事にしちゃいました。
というわけで、今回はそのフレーズを使ってシンセパッドとジャズピアノ的な要素の話をします。
自分の成長記録というか備忘録も兼ねて。
はじめに
ではまず、先ほど書いた「シンセパッドの音色で弾いてみたらできたフレーズ」を打ち込んだものをお聴きください。これを(A)とします。音量に注意してね。
どうでしょう?ありきたりっちゃありきたりな気もしますが、ほんのりかっこいいと思いません?(自画自賛)
これを基に、以前までの自分が作りそうなものも打ち込んでみました。こっちは(B)です。
低音部はルート音のオクターブ、高音部はド直球なコードって感じ。よく使ってました。
まあこれはこれで悪くはないと思うんですけど、今となってはちょーっと物足りない気がしますね…。
今回は、この(B)を色々改変して(A)にしていきます。
ジャズピアノから学んだこと
先ほどのフレーズを弾くに当たって自分が意識したジャズピアノ的要素を書きます。
ただ、聴いていて気持ちいい構成がいいと思うので、使わない方がいいと思ったところはそのままでいいと思います。今回の記事でも必要ないと感じたところはそのままです。
テンションコード
ジャズでよく使われるコードにテンションノートを含むテンションコードというものがあります。
テンションノートとは、そのコードのルート音から9度、11度、13度の音です。9th、11th、13thとも言いますね。
例えば、図のようなCM7に、
このようにレの音(9度)を足したものなどがそうです。
自分はこのテンションコードという概念をジャズピアノで知りました。とはいえ、ジャズのコードは難しすぎるのでまだ苦戦してますがねw
おかげで、知っているコードの幅が広がりました。
あと、ジャズでなくてもいわゆる「エモい」曲というのはテンションコードのような複雑なコードを多用しているように思います。自分すらノックアウトするエモい曲を作りたいと思っているので、このあたりをもっと研究したいです。
このテンションコードを(B)に盛り込んでみます。
(ついでにボイス数が多すぎるとCPUに負荷がかかるし聴いていて心地よくないので、低音部オクターブの片方や必要ないと思った部分を消します)
そうすると次のようになります。これを(B’)とします。
これだけでちょっと複雑でかっこいい響きになりませんか?
でも、まだありますよ。
オープンボイシング
コードの構成音の積み重ね方にはオープンボイシングとクローズドボイシングというものがあります。
オープンボイシングとは、1オクターブ以上に渡って構成音を配置することです。
例えば、CM7ならこんな感じです。
クローズドボイシングはその逆で、1オクターブ以内に構成音を配置します。
先ほどの(B)や(B’)も、全体で見ると1オクターブ以上開いているので厳密にはオープンボイシングかもしれませんが、今回は高音部分(ピアノでいうと右手で弾く部分)を見ていきます。
このオープンボイシングやクローズドボイシングもジャズピアノで大事なテクニックのひとつです。
あと、DTM系の動画を漁っているときにシンセパッドの打ち込みや鍵盤での演奏をオープンボイシングっぽくしているのを目撃したり。「シンセでもこういう弾き方するんだ!」とその時は驚きましたね。
今回弾いてみようと思ったのも、だいたいこれが原因ですねw
今まで自分は(B)や(B’)のように、シンセパッドの高音部分をクローズドボイシングにしがちでした。というか、それ以外の発想がありませんでした…w
クローズドボイシングもそれはそれでいいと思うんですけど、シンセパッドで打ち込むにはちょっと厚みというかふくよかさに欠けるかな。と今なら思います。
で、先ほどの(B’)をオープンボイシングっぽくしてみます。高音部から5度を持ってきて低音部をパワーコードにして、高音部はそれ以外の音にするとそれっぽくなります(緑の部分は例外です)。
それが、今回の完成形(A)になります。
どうです?なんか分厚いというか壮大な感じでしょ?
オープンボイシングにすると、音程が分散されて厚みが出る感じがします。あと、全体で一体感が出る気がします。
余談
ジャズでは、必要のないルート音を抜くルートレスという超重要な概念があるのですが、今回はバリバリルート音も使っています。ただ、ジャズっぽい響きにしたかったので高音部からはルート音を抜いています。
※ベースがルート音を弾いてくれるので、ジャズピアノではルート音を抜くことが多いんだそうです。
また、コード進行に関してはジャズのそれとは全然違うと思います。というか、コード進行に関しては割と適当でその場のノリで決めてます…w
さいごに
という感じで、ジャズピアノから学んだ要素を盛り込んだシンセパッドのフレーズについて書いてみました。
こういう感じのフレーズはなんとなくトランス系に合いそうな気がしますね。
あと、ストリングスとかにも応用できるかもしれません。
一見関係なさそうなジャンルでも共通点を見出すと感動するし、何より面白いと感じました。
とはいえ、自分がまだ知らない音楽理論的な要素もたくさんあると思うので、精進していけたらいいなと思います。
もしこの記事が少しでも参考になったら幸いです。
最後に、完成形の(A)を使って適当に色々打ち込んでみました。
こういったシンセパッドを使った際の雰囲気がつかめたらいいなと。
それでは、また。